長い事構造設計という仕事をやってきたけど、この仕事は中々楽になりませんねー。
なんでなんでしょう? 昔は全て手計算。 意匠図を眺めながら仮定荷重と架構モデルを設定し、2次部材を計算して、 主架構の準備計算として軸力、地震力、梁のCMQを計算し、 固定法と、D値法で架構の応力を求め、断面算定シート(といっても紙に印刷されたシート) に部材ごとに応力値を書き込んで、機械的に断面を決める。 全ての計算はペーパーに書いた計算式をひたすら電卓で叩いていました。 (私より年配の方は計算尺やソロバンなんかを使っていたようです。 私なんかよりずっと大変だったと思います。) それで、決まった断面を元にせっせと構造図を書いて、計算書をまとめてました。よね。 「誤解の無いように・・・もちろん最初に構造計画はしてましたよ。」 今は一貫構造計算ソフトが主流になっているので、計算の準備さえしてしまえば 電算様が"あっ"っと言う間に結果を出してくれて、楽になっているはずなんですが? でも、電算様が中々言う事を聞いてくれなかったり、いろいろなパーツソフトを駆使すると、 変更や修正での手戻りは結構大変なものです。そこにミスも潜んでいます。 構造設計を俯瞰すると、結局こんな流れになっていると思うんです。 ①意匠図⇒②構造計画⇒③荷重や幾何情報を数値化⇒④構造計算⇒⑤断面形状決定⇒⑥構造図作図 この流れは今も昔も基本的には変わりません。 このフローは1方向の流れのように見えるけど、途中の計画変更その他の理由で各ステップから 前に戻るループ事が必要で、まず、1回でストレートに終わり!!!なーんて事はありえません。 (うちだけか???) このうち、一般的な一貫計算ツールは④~⑤、あるいは不完全だと思うけど⑥もやってくれます。 しかし、②~③をサポートしてくれるツールは知りません。あるのかなー? もし、②~⑤と⑥の一般的な図面までをサポートしてくれて、思い通りにカスタマイズできるツールがあったら、随分楽になると思いませんか? こんな事を書くのは、市販ツールに対する不満もあるからですが。 例えば、 各階で柱サイズが違うとき、1階から最上階まで部材芯を1本で現して本当にいいの? (オフセットしなくていいのかな?) 何で架構モデルをグリッドベースでモデル化しなきゃいけないの? (これは解決しているツールもあるけど。) 何でRC,S,SRCだけなの?(木造用一貫ツールもあるけど。混構造は出来たっけ?GLT,PC・・) 計画段階で概略計算する機能って無いの?(そういうツールもあるけど。) などなど、きりがありません。 そんな悩みを解消するツールを作りたいと思います。 業務が忙しいので、完成はいつになるか分りませんが、 「出来たらいいな」です。 そんな事を一緒にやってみたい方いませんか? また、弊社で構造設計もやりながら、ツールの開発をやってみたいという スタッフも募集中です。ほんとに人がいなくて困っています。 設計業務も大忙しなので。 とりあえず 仮定荷重作成支援ツール+材料荷重データベース スラブなどの板厚は指定しないで、二次部材の設計が終わった時点で躯体重量 を決定するので、構造的に決定する事に対する手戻りが生じません。 CADデータから任意床組み形状を認識するツール 意匠図テータを下敷きにしてCAD上で床架構を計画すると、構造設計用データが 出来上がるものです。 etc・・・ などの試作版を作ってみました。が、まだ公開レベルには届いていません。 いつか、公開できるとよいのですが。
by es-koubou
| 2012-06-14 23:45
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